エクスプローラーⅠ

EXPLORER I

エクスプローラーⅠは探検家用として1953年に誕生したモデル。シンプルなデザインで、どんなシーンにもマッチするスポーツロレックスの基本ともいえるモデル。黒の文字盤は抜群の視認性を誇り、そのシンプルで控えめな外見と対照的に、ハードな使用にも耐える堅牢な構造を有している。

エクスプローラーⅠ

エクスプローラーⅠとは

挑戦魂を掻き立てる究極の冒険時計

挑戦魂を掻き立てる究極の冒険時計

1953年5月、ロレックスの腕時計を着用したエドモンドヒラリー卿が属する英国遠征隊が世界初のエベレスト登頂に成功。この大ニュースが世界を駆け巡った同じ年、エクスプローラーが誕生する。

実際にはヒラリー卿が携行していたのはロレックスのオイスターモデルだったが、「探検家」の名を持つエクスプローラーが、この世界的快挙と重ねて語りつがれるようになったのはごく自然な流れだったかもしれない。

この「探検家」を意味するエクスプローラーは、過酷な環境下でも高い視認性を確保するため、一切の装飾が省かれたシンプルなデザインと高い精度を追求。まさに冒険者のための時計だった。

「時を告げる」性能にこだわってシンプルを極めた永遠の定番

「時を告げる」性能にこだわってシンプルを極めた永遠の定番

1953年の登場以来「時を告げる」性能に注力し続けたエクスプローラーⅠ。そのデザインは基本スタイルを変えない永遠の定番デザインだが、細部やムーブメントは常に進化を続け、数ある機械式腕時計の中でも人気の高いスポーツモデルとして不動の地位を確立している

なお、エクスプローラーⅠは他のモデルのように複数のバージョンがあるわけではなく、ステンレススチール製の1アイテムのみリリースされている。

エクスプローラーⅠの特徴

特徴1.シンプルさを突き詰めたデザインで、ビジネスから日常使いまで幅広く使える

すっきりとしたデザインが魅力となっているエクスプローラーⅠは日付表示がないことでシンプルな雰囲気がより強調されている。半世紀以上続くエクスプローラーⅠのデザインはもはや改良の余地がないほどの完成度を誇っている

始めは探検者向けに作られたプロ向けのモデルとしてリリースされたが、そのシンプルなデザインは仕事の時や休日にも使えるだけでなく、フォーマルなパーティでも大活躍してくれる。

特徴2.高い衝撃吸収能力

機械式時計にとって衝撃は大敵。エクスプローラーⅠにはその衝撃を抑えるために、高い衝撃吸収能力を持つパラフレックスショック・アブソーバーが装備されている。

特徴3.バックルはラグジュアリー感のあるダブルロック式

2010年のモデルチェンジより採用された新バックル。中板は全面にポリッシュ仕上げが施される最新仕様になっており、堅牢性が高まった。さらに、それまで唯一の弱点とされていた貧相なバックルのイメージを覆すかのように高級感が向上している。構造は折り返し金具を装備したダブルロック構造で、激しい動きでも外れないよう、留め具が着いていて高い安定感を誇っている。

バックル内部には、ユーザー自身で微調整可能なイージーリンクが備えられている。なお、旧ダイヤルモデルは、年式によってバックル中板の仕上げが異なる。

特徴4.フラッシュフィットは一体式で堅牢性が大幅に向上

ブレスと別体式だったフラッシュフィットが、一体型となったのはRef.114270から。堅牢性が大幅にアップするとともに、見た目にもスタイリッシュな印象に進化している。

特徴5.長い時間発光する夜光

エクスプローラーIの夜光は1998年製のRef.14270から放射性トリチウムが蛍光性ルミノバに変更。より長い時間発行するようになった。なお、トリチウムは十数年で自発光しなくなるため、アンティークのエクスプローラーⅠは光らない。

特徴6.フィット感の高い着用感

ケース系は39ミリ。すっきりとしたスムースベゼルのため、着用時は実際のサイズよりも小振りな印象をうける。サイズ以上に注目したいのが厚さだ。エクスプローラーIの厚さは約11ミリとサブマリーナなどに比べると薄い。そのため、高いフィット感を実現しているだけでなく、スーツやシャツの袖口の邪魔にならない。

エクスプローラーⅠの歴史

  • '53

    1953年 エクスプローラーⅠの誕生

    エクスプローラーⅠは、ロレックスの特殊機能時計として1953年に登場。その名の通り、探検家(エクスプローラー)をイメージして開発されている。

    初代(といわれている)Ref.6150は、ブラックダイヤルに3-6-9のアラビア数字と12時位置に三角マークを配した視認性を重視したシンプルなデザイン。ケースは頑丈なステンレス製。誕生当初からこれらの基本スタイルはほとんど変化することなく、正確な時間のみを表示するという時計本来の機能のみに特化した作りになっている。

    このRef.6150のムーブメントには、フルバック最終タイプのCal.A296が搭載されており、裏蓋の膨らみやベゼルが一段高くなっている点など、横顔は完全にセミバブル特有の形状になっている。

  • '60

    1960年代 永遠の定番Ref.1016 後期モデルの誕生

    Ref.1016

    1960年代に入ると、ロングセラーモデルのRef.1016が登場する。初期モデルの特徴だった文字盤外周のサークルラインが消え、インデックスの色も金色から白色になるなど、スポーツモデルらしい精悍なイメージへと進化した。

    さらにリューズを引くと秒針が止まるハック機能も付加されており、一般にこの機能がついたモデルをRef.1016の後期モデルと呼んでいる。ちなみに、1988年に生産中止になる直前の後期型最終モデルはアンティーク市場で人気が高い。

    Ref.14270

    その後エクスプローラーは、1990年代にCal.3000を積んだRef.14270、2001年にCal.3130を搭載したモデルへと進化。

  • '10

    2010年 ケース径が大きくリニューアル

    Ref.214270

    Ref.214270は、2010年にリニューアル登場を果たした7代目のエクスプローラーⅠ。最大の特徴はケース径が36ミリから39ミリへと大きくなったこと。

    このサイズ変更以外にも、対震装置であるパラフレックスショック・アブソーバが新たに実装されるなど、冒険家向けとしての性能が大きく向上した。

  • '16

    2016年 マイナーアップデート

    Ref.214270

    エクスプローラーⅠのブラックダイヤルは、3-6-9のアラビア数字の存在によって美しいバランスを形成しているが、Ref.14270の初期生産分には3-6-9インデックスに白いラインが入っていない「ブラックアウト」という希少モデルが存在する。そして2010年に発表されたRef.214270は、3-6-9インデックスに白いラインが入っていないブラックアウトモデルだった。

    一方、2016年以降のRef.214270のダイヤルは、逆三角形のアワーマーカーと8個のバーに加え、3つの数字にも夜光が備えられた。これにより、暗所でも蓄光性能を持つクロマライト夜光の読み取りがよりスムーズになった。

2021年にエクスプローラーの新作が登場

オンラインイベントで発表

高級腕時計の新作発表は、毎年4月にスイスで開催される世界最大の時計見本市バーゼルワールドで発表されるのが通例だが、世界的なコロナ禍の影響で、2021年のバーゼルワールドは開催中止が決定。結果的に100年以上にわたる歴史に幕をおろした開催が中止された。

その代わりとして、ロレックスは4月にオンラインイベントを開催。ここで新作を発表し、その一環として、ロレックス定番人気モデルのエクスプローラー1のモデルチェンジが発表された。

エクスプローラー1の新作は多くの人の意表をついた

ここオンラインイベントで発表されたのは、新しいタイプのムーブメント3230を採用したエクスプローラー1の新作2種。通常のステンレススチール仕様のRef.124270に加え、エクスプローラー1では初となるコンビ仕様のRef.124273。

さらに、新型モデルは2010年から続く39mm径というサイズから、初代エクスプローラー1から56年間継承されてきた本来のサイズである36mm径にサイズダウンしたというのも同時に発表。

これには多くの人が驚くことになった。というのも、近年のロレックスは2020年にモデルチェンジを行ったサブマリーナーデイトでもケースのサイズアップを実施しており、エクスプローラー1に関しても当然のように39mmケースを継承するものと思われていただけに、36mmケースの復活は、大きな驚きを生んだ。

エクスプローラーシリーズ初のコンビカラーモデル

新型エクスプローラー1は、904Lステンレススチールを用いたモデルと、シルバー×ゴールドのコンビカラーモデルの2種がラインナップ。

エクスプローラー1はこれまで長年ステンレススチールモデルのみの展開で、シルバー×ゴールドのコンビカラーはエクスプローラー2も含め、エクスプローラー系のモデルでは初めて。

このコンビモデルは、差し色にゴールドが入ることにより、高級感が増し、これまでのエクスプローラーシリーズになかったエレガントさも持ち合わせるようになった。

時計が小振りになって使いやすくなった

3mmの差は小さいようで大きい

エクスプローラーマークの位置の違いはすぐわかるが、それ以外の箇所はカタログやホームページだけの画像であれば、旧式と新型エクスプローラーの見分けはつかないほど似ている。

ただし、実物であれば見た目の感じは大きく変わり、3mmといえども、手元は目の行きやすい場所ということもあり、この差は大きく、非常にコンパクトになった印象を受けるだろう。

手首につけた際のバランス感

旧式エクスプローラー1の39mmも、スポーツ系の腕時計の中ではそこまで大きくない小ぶりな部類に該当していたが、新型の36mmケースのバランス感が上がったと言える。

特に、欧米人に比べて細身の日本人には、36mmのほうが腕時計と体のバランスから、そこまで目立たず小さすぎずの大きさであり、エクスプローラー1のさりげないシンプルな美しさを引き立てる要因となっている。

時計をひときわ目立たせたいアクセサリーとして考えるのであれば、大きくて厚いモデルが適しているが、上品にさりげないが優雅に見せたいのであれば、これくらいの大きさのほうが適していると考える人も多い。

このモデルチェンジに伴い、誰もが知る高級腕時計の格に加え、ドレスモデルのような控えめながらも程よい華やかさによって、手首を彩ってくれるアクセサリーとしてエクスプローラー1は新たなステージに立ったと言える。

腕時計サイズは時代によって変わってきた

2021年に発表されたエクスプローラー1の36mmケースは、1953年初代から2010年の間にリリースされていたモデルと同じサイズだった。

そして、2010年のリニューアルで36mmから39mmへとリニューアルされ、その後2021年に36mmの大きさに。つまり、一度ケースサイズは大きくなったが、2020年を超えてまた当初のサイズに戻ったと言える。

そして、このサイズ変遷はエクスプローラー1だけでなく、近年の腕時計のサイズに関係している。

2000年初頭から大きく厚い時計が台頭

これがパネライやIWCの「ビッグ・パイロット・ウォッチ」など、後のデカ厚ブームに影響を及ぼすこととなる。

2000年初頭、腕時計は、特にスポーツウォッチは、より大きく厚くなる傾向にあった。代表的なモデルといえば、パネライの各種シリーズやIWCの「ヒッグ・パイロット・ウォッチ」などで、これらのモデルが高級腕時計の「大きく厚いケース」というブームを築いた。

ロレックスも同様にドレス系モデルであるデイトジャストにもケースの厚さはそこまででもないが、大きさが41mmサイズのモデルをリリースしている。

2015年頃より小振りなケースが主流に

その後、大きくて厚いケースのモデルが一時的な流行から定番のカテゴリーとして定着すると、一転して各ブランドから小振りなケースが2015年頃より徐々にリリースし始める。

小型化によって、さり気なく優美に装う控えめな点が評価されることもあり、小型化の風潮はドレス系の腕時計が主流だった。しかし、小型化はスポーツ系のカテゴリーにも浸透していく。

小型の高級腕時計の控えめな雰囲気は、さり気なく優美さを印象づけやすく、小型化の風潮はドレス系のモデルが主流だった。しかし、小型化はスポーツ系のカテゴリにも浸透していく。

エクスプローラー1の小型化によって全体の意識変化が起こる

スポーツ系腕時計の象徴的なモデルであるエクスプローラーは、2021年に従来のモデルから3mm小さくなったことにより、高級腕時計のスポーツ系モデルでも小型化の波が起きていることが多くの人の共通認識となった。

また、この流れは、他のブランドでも同様に起こっており、先ほど紹介した大きめの高級腕時計のメインストリームブランドだったパネライも、小型化モデルが徐々にリリースされている。

世の風潮が、目立たせるという美学から、さり気ない優美さを求めているようにも考えられる。

このように、近年は腕時計の小型化が進んでいたが、エクスプローラー1の小型化によって、その動きが2021年に決定的になったといえる。

機能は現代らしく高スペックへ

ムーブメントは最新スペック

外見の変化が大きくフォーカスされているエクスプローラー1だが、変わったのは外見だけではなく、内部も大きく進化している。他のロレックススポーツ系モデルと同様に、高精度で耐衝撃性や耐磁性に優れたブルーパラクロム・ヘアスプリングやパラフレックスショックアブソーバーを採用。

ムーブメントには教件の特許を持つムーブメント3200系を搭載。パワーリザーブも約70時間にまで延長され、精度も日差プラスマイナス2秒と非常に優れたものとなっている。

暗いところでも優れた視認性を実現

暗い場所で時間を把握することが容易なように、インデックスや針には、暗い場所で青く光る素材を採用している。

この素材はロレックス独自のクロマライトディスプレイ最新版を採用。これまでのモデルで使われていたものよりも明るく、長い発光時間も実現しているので、実用性が更に高まっている。

レファレンスは2世代前のものがベース

新型モデルのレファレンスは特殊な番号付けになっている。通常であれば、ひとつ前の世代をベースにするため、Ref.224270のレファレンスが採用されるのだが、今回のエクスプローラー1のSSタイプは、2世代前のRef.114270をベースにしたRef.124270のレファレンスとなっている。

 

エクスプローラーの定価とスペック

モデル名 REF. ケース ベゼル 定価
エクスプローラー 124270 オイスター 36mm オイスタースチール スムース \847,000
エクスプローラー 124273 オイスター 36mm オイスタースチール&イエローゴールド スムース \1,322,200

エクスプローラー詳細スペック

  ステンレススチールモデル ゴールドコンビモデル
価格 ¥847,000 ¥1,322,200
リファレンス 124270 124273
ケース形状 オイスター オイスター
ケースの大きさ 36mm 36mm
ケース素材 オイスタースチール オイスタースチール&イエローゴールド
ベゼル スムース スムース
防水性能 100 m/330 フィート防水 100 m/330 フィート防水
ムーブメント パーペチュアル・機械式・自動巻 パーペチュアル・機械式・自動巻
キャリバー 3230・ロレックスによる完全自社製造 3230・ロレックスによる完全自社製造
パワーリザーブ 約70時間 約70時間
ブレスレット オイスター(3 列リンク) オイスター(3 列リンク)
ダイアル ブラック ブラック
認定 高精度クロノメーター (COSC、ケーシング後にロレックス認定) 高精度クロノメーター (COSC、ケーシング後にロレックス認定)

 

旧エクスプローラーⅠ基本スペック

タイプ スポーツモデル
ムーブメント 自動巻き
防水 100m防水
ケース経 39mm
素材 ステンレススチール
ダイヤル
ブレスタイプ オイスターブレス
風防 サファイヤクリスタルガラス
振動数 28800振動
価格帯 \687,500(2019年12月時点)
愛用者 草彅剛・岡村隆史・長瀬智也(Ref.1016)徳井義実・矢部浩之・亀梨和也・浜田雅功・木村拓哉・中居正広・遠藤章造・大沢たかお・高倉健(Ref.214270)

現行モデル

エクスプローラーI Ref.214270[新ダイヤル]

2010年にケースサイズが36ミリから39ミリ径へ大型化されたが、指針はインデックスまで届かない36ミリ時の指計のままだったが、2016年のマイナーアップデートで新ダイヤルとなり、指針部分も長い適正サイズの幅広タイプに変更。さらに3-6-9のインデックスにはクロマライト夜光を塗布し、より長い時間発光できるように進化。エクスプローラーIの特徴である視認性の高さを追求した作りになっている。

ムーブメントのCal.3132は耐震装置にパラフレックスショック・アブソーバを備え、安定した精度を発揮。耐磁性や耐震性に優れている。しかも高格度クロノメーター規程により5年保障が適用されている。

バックルは高級感の高い素材を使っているだけでなく、装着中に誤って落としづらいダブルロック式。手首にしっかりと固定できため、着け心地もいい。

エクスプローラーI Ref.214270[旧ダイヤル]

3-6-9に夜光が塗布されない旧型ダイヤルのエクスプローラーI

2010年に誕生したモデル。ケースが39ミリに大型化され、3-6-9インデックスは白線がない「ブラックアウト」仕様。2016モデルと同じ部分は、肉厚のラグや堅牢性の高いブレス、搭載するムーブメントはCal.3132という点。

エクスプローラーⅠ 旧モデル

Ref.6150 [1953年~]

エクスプローラーの誕生

バブルバック最終タイプのCal.A296を搭載したセミバブル。1953年登場。ブラック文字盤に3-6-9のアラビア数字、12時位置の三角形というエクスプローラーの基本スタイルを確立した初期モデルでモデル。

Ref.6350 [1953年-1956年頃]

もう一つの初代モデル候補

創生期は混沌としていて初期モデルの特定は難しいが、上記で紹介したRef.6150かこのRef.6350がエクスプローラーⅠの初期モデルといわれている。Ref.6350はセミバブルバックのクロノメーターCal.A296で、1953年10月にロレックスのカタログに初登場した

Ref.6610 [1954年-1959年頃]

世界で初めての両方向回転巻き上げ方式の自動巻きムーブメントを搭載

1950年代中期に登場した第2世代。ロレックスがこの頃開発したCal.1030が搭載された。このムーブメントは世界で初めての両方向回転巻き上げ方式の自動巻きムーブメントである。50m防水などのスペックや金色のインデックスやサークルラインなどは第1世代と同様だ。

Ref.1016(前期モデル) [1960年-1974年頃]

防水性能が50mから100mへ向上

1960年代になって登場したのが、エクスプローラーの不動のイメージを決定づけたRef.1016。防水性能はそれまで50mだったが100mに向上した。なお、約30年続くRef.1016は前期型と後期型に分けられる。

このRef.1016の初期ロットにはレアな文字盤も確認されている。具体的にはダイヤルの仕上げがほかのものとは異なり、鏡面のように光沢のある独特なダイヤルをもつモデルがある。これはミラーダイヤルと呼ばれており、その高級感あふれる美しい質感はヴィンテージロレックスの中でも人気で、もしこのモデルを買取ってもらう場合、高い買取価格が設定されている。

Ref.1016(後期モデル) [1972年-1988年頃]

歴代のなかでも傑作と称されるモデル

1972年にはリューズを引くと秒針が止まるハック機能が装備されるようになった。これ以後を一般的に、Ref.1016の後期モデルと呼んでいる。

この後期モデルは前期モデルに比べ、文字盤がややツヤ消しのグレーがかった黒色になっているのが特徴。文字盤はRef.1016の前期モデル(初期型を除く)とほぼ同じ。このモデルでドーム型風防を備える最終モデルとなった。

Ref.1016後期モデルの生産期間は20年以上と長く、歴代エクスプローラーⅠのなかでも傑作と称される。3-6-9のアラビア数字や100m防水など現行モデルに通じる意匠と機能はこのモデルで確立され、現行のモデルにまで受け継がれている。

なお、1988年にエクスプローラーⅠの生産は一旦中止となった。

Ref.14270 [1990年-2001年頃]

人気ドラマで一躍人気になった

一旦生産中止となったエクスプローラーⅠは1990年にRef.14270として登場。このモデルは人気俳優が人気のドラマで着用し、ロレックスの名を日本中に知らしめ、1990年代のエクスプローラーI人気を不動にした名作。

基本デザインは全モデルを継承しながら、インデックスにフレームが付いて視認性を強化。ムーブメントは従来のCal.1570から毎時2万8800振動のCal.3000に変更された。また、風坊も硬化プラスチックからサファイアクリスタルへと変更。夜光にメタル縁を初採用するなど様々な点で進化を遂げた。

Ref.114270 [2001年-2010年]

高い精度と安定性を実現した新型ムーブメントを搭載

2001年にツインブリッジのムーブメントCal.3130を搭載して発表されたのが、Ref.114270。デザインは従来のモデルとほぼ同じだが、王冠マークの透かしが風坊の6時位置に刻まれるようになった。

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