エクスプローラーⅡ

ExplorerⅡ

エクスプローラーⅠの発展型となるエクスプローラーⅡは洞窟探検用とされ、デイト表示やリューズガードさらには24時間針を装備し、さらなるプロ仕様に仕上げられている。

エクスプローラーⅡ

エクスプローラーⅡとは

24時間ベゼルを装備した爽やかなスポーツウォッチの定番

1953年の発表当初は、冒険家の信頼に足る装備として認められたエクスプローラーだが、他社から多くのスポーツウォッチが登場すると、やや見劣りがする部分も出てきてしまった。

これを払拭すべくロレックスが市場に投入した上位機種が、1971年に発表されたRef.1655、すなわち「エクスプローラーⅡ」である。

洞窟冒険を意識した24時間表示ベゼルと24時間針

洞窟冒険

探検家を想定していることからエクスプローラーⅡと名付けられてはいるが、一般的な探検家向けを想定していたエクスプローラーⅠに対して、更に特化して洞窟内を探検する探検家向けに限定して開発され、デザインや機能に特徴をもたせている。

洞窟内は太陽の光がほとんど届かないため、長時間滞在すると現在時刻が昼なのか夜なのかを判断することが難しくなる。そこで、昼夜を容易に確認できるように装備されたのが、24時間表示ベゼルと24時間針である。

洞窟探検の他にも極地探検の使用も考えられている。例えば、極点など磁力の影響でコンパスが使えない地域では、この24時間針が唯一のコンパス代わりとなる。

ベゼルが加わったことで、当然デザインも見た目もシンプルなエクスプローラーⅠとは大きく異るものになり、ファーストモデルRef.1655はロレックスらしからぬ個性的なデザインだった。

エクスプローラーⅡの歴史

1971年 Ref.1655

エクスプローラーI Ref.1016の機能性と堅牢性を高めて1971年に誕生。洞窟や極地探検などでも昼夜が区別できるようにベゼルの24時間目盛りとオレンジ針がついているのが特長。無骨で直線的デザインは発売当時の一般ユーザーに受け入れられず、不人気モデルだった。そのため流通量が絶対的に少なく、現在ではプレミアモデルに。

1987年 Ref.16550

1987年に登場した2代目のRef.16550。現モデルのデザインの基礎ともなっている。アイボリーがかった文字盤を採用。しかしわずか2年で生産終了したこともあって、レアモデルの一種としてロレックスのコレクターの間で扱われている。

また、このモデルから短針を単独で動かすことが可能となったため、GMTマスターと同様に、第2時間帯を表示することができるようになり、実用機能の多さも魅力のひとつに加わった。

1989年 Ref.16570

Ref.16570からは白文字盤のほかに黒文字盤もラインナップ。20年以上という超ロングセラーモデルとしてロレックスの人気を支えてきた。

2011年 Ref.216570

2011年にリニューアル登場を果たしたのがRef.216570。初代エクスプローラーⅡの象徴であるオレンジ針を復活させ、往年のロレックス好きだけでなく、一般ユーザーからも高い人気を博している。

エクスプローラーⅡの定価とスペック

モデル名 REF. ケース ベゼル 定価
エクスプローラーⅡ 226570 オイスター 42mm オイスタースチール 固定式・24時間目盛り入り \1,122,000

 

現行モデル エクスプローラーⅡ Ref.226570

基本スペック

価格(2022年10月時点) ¥1,122,000
リファレンス 226570
ケース形状 オイスター
ケースの大きさ 42mm
ケース素材 オイスタースチール
ベゼル 固定式・24時間目盛り入り
防水性能 100 m/330 フィート防水
ムーブメント パーペチュアル・機械式・自動巻・GMT機能
キャリバー 3285・ロレックスによる完全自社製造
パワーリザーブ 約70時間
ブレスレット オイスター(3 列リンク)
ダイアル ホワイト・ブラック
認定 高精度クロノメーター (COSC、ケーシング後にロレックス認定)

概要

初代エクスプローラーⅡを連想させるオレンジ色の24時間針、ケースサイズの大型化、またそれにともなう視認性が向上し、それまでのモデルと大きくイメージが変わった。ムーブメントのCal.3285は約70時間のパワーリザーブを誇る。

デザインはスポーツモデルなのでプライベートの服装にマッチするのはもちろんのこと、ビジネススーツにも似合い、ワンランク上のスタイルを実現できる。

ほかにも、優れた耐磁性と温度変変化に強いブルーパラクロムヒゲゼンマイを使用。高い精度はもちろん、耐久性に優れる点も特徴。

大ぶりのケースサイズ

ケースサイズは前モデルRef.16570に比べて直径が2mm大きい42mm。これは、スポーツロレックスのなかでは大きい部類に入るサイズだ。旧型より直径が大型化したので存在感と視認性が抜群に高まった。

ケースサイズ比較

モデル ケース径
エクスプローラーⅠ  36mm
エクスプローラーⅡ  42mm
サブマリーナー  40mm
ミルガウス  40mm

長い間発光する夜光塗料

インデックスや針に採用される夜光塗料にはクロマライトを採用。これにより発光時間が約8時間となった。暗い場所で美しくブルーに発光し、夜間における視認性が高まっている。

旧モデル

Ref.1655

製造年代 2011年~
ムーブメント Cal.31B7
ケース 直径42mm(SS)
防水性 100m

派手な表情が人目を引く初代モデル

エクスプローラーⅠの発展型として1970年代前半に登場したエクスプローラーⅡの初代モデル。GMT機能はついていないが、昼夜の区別が一目で分かる24時間計が装備されているのが特徴だ。

発売当時は ドレスウォッチ中心の時代であったため、不人気だったが、時を経るとその個性的な意匠が逆に価値をさせた。特徴的なオレンジ針が現行モデルに採用されたこともあって、現在では人気ヴィンテージウォッチの一つとして認識されるまでに至った。

なお、ごく初期のモデルには、秒針先にドットが付いていないモデルも存在しており、買取相場は特に高価。

Ref.16550

GMT機能を搭載したセカンドモデル

1988年頃に登場。ベンツ針の短針が採用されるなど、初代とはデザインも一変し、このモデルのみアイボリー色の文字盤が製造された。また、ムーブメントもCal.1570からCal.3085に変更され、単独で短針が動かせるようになった。

Ref.16570

製造年代 1991年~2011年
ムーブメント Cal.3185/3186
ケース 直径40mm(SS)
防水性 100m

ツインブリッジの高性能ムーブメントCal.3185を搭載したサードモデル

1991年に登場したRef.16570は約20年もの間製造され続けたロングセラーモデルでもある。

前モデルからの変更点としては、ムーブメントがGMTマスターⅡと同じ安定した精度を誇るツインブリッジ式Cal.3185(3186)へと変更になった。ただ、エクスプローラーⅡのベゼルはGMTマスターⅡと異なり回転しない。黒文字盤と白文字盤の2種類がラインアップされている。

ほかにも、他のスポーツロレックスと同様、1990年代末ごろのモデルからルミノバ夜光や一体型フラッシュフィットに変更されるなど幾度とマイナーチェンジを行っている。そのため、同品番でも仕様が異なるものがある。

現行モデルRef.216570が 42mmに大型化されたため、40mmサイズの最終型となった。生産終了後もスタイリッシュなデザインと適度なサイズ感に根強い人気を博している。

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